防火管理者は、消防法にもとづき、一定規模以上の飲食店などで選任が義務づけられる必置資格です。火災の予防・被害の軽減を担う責任者で、収容人数が基準を超えるお店では必ず置かなければなりません。取得は講習の受講で完了し、甲種と乙種の2種類があります。この記事では、必要になる条件から取り方、消防署への届出まで解説します。
防火管理者は、建物の火災予防に責任を持つ人として消防法で定められた資格です。要点は3つです。第一に、収容人数が一定以上の飲食店では選任が義務であり、任意ではない点。第二に、消防計画の作成、消火・避難訓練の実施、消防用設備の点検管理などを担う点。第三に、講習の受講で取得でき、店舗の規模により甲種・乙種のどちらが必要かが決まる点です。食品衛生責任者が「衛生」の責任者なら、防火管理者は「火災予防」の責任者です。
飲食店では、店舗の収容人数(従業員とお客様の合計)が30人以上になる場合に、防火管理者の選任が必要になるのが一般的です。カウンター中心の小さなお店では不要でも、宴会場のある居酒屋、ファミリーレストラン、大型カフェなどでは選任が求められます。開業前の内装・レイアウトを決める段階で、自店の収容人数がこの基準を超えるかを確認しておくことが重要です。選任したら、所轄の消防署へ防火管理者選任(解任)届出書を提出します。加えて、防火対象物の使用開始前には使用開始届の提出も必要になります。
防火管理者は、都道府県や消防機関、日本防火・防災協会などが実施する防火管理講習を受講して取得します。試験というより講習の修了が基本です。甲種と乙種で講習日数が異なります。
より規模の大きい建物に対応できる資格で、講習はおおむね2日間です。延べ面積が大きい建物や、多くの建物の防火管理者になれます。どちらを取るか迷う場合や、将来大型店を任される可能性があるなら甲種が無難です。
比較的小規模な建物向けで、講習はおおむね1日です。対象となる建物の規模に上限があります。建物の延べ面積などにより甲種・乙種のどちらが必要かが分かれます。自店がどちらに該当するかは建物全体の用途・面積で決まり、自治体・消防本部により運用が異なるため、最新の区分と必要な種別は所轄消防署でご確認ください。
防火管理講習に難関試験はなく、講習を受講すれば取得できるのが基本です。事前学習は不要ですが、受講内容である消防計画の作り方、避難経路の確保、消火器や自動火災報知設備といった消防用設備の基礎は、実務で必ず使います。特に飲食店は火気を扱うため、厨房の油火災への備えや、避難通路に物を置かない運用など、日々の管理こそが本質です。講習で得た知識を店舗の消防計画に落とし込めるかがポイントです。
防火管理者は、店舗運営を任される立場になるほど求められる資格です。単体で給与が大きく上がる性質のものではありませんが、店長・施設管理者としての適性を示す要素になります。多店舗展開する企業では、各店に防火管理者が必要なため、取得者は配置の面で重宝されます。ビル全体の管理や大型施設の運営に進む場合にも土台となります。手当の有無は勤務先により異なるため、求人条件でご確認ください。
混同されやすいのが防火管理者と防災管理者です。防火管理者は火災予防が主眼で、多くの飲食店に関わります。防災管理者は地震などの大規模災害に備える資格で、対象は大規模・高層の建物に限られるため、一般的な飲食店では関わる場面は多くありません。また、食品衛生責任者は衛生管理の資格で守備範囲がまったく異なります。飲食店の開業では、規模に応じて食品衛生責任者(必須)と防火管理者(収容人数により必須)の両方を検討するのが実務の基本です。
防火管理者は、収容人数30人以上が目安となる飲食店で必要になる必置資格です。まず自店の収容人数を確認し、必要なら甲種・乙種のどちらを取るべきかを所轄消防署に相談しましょう。選任後は消防署への届出が必要です。講習日程・会場・自店に必要な種別は、所轄の消防署や講習実施団体の公式案内でご確認ください。
収容人数(従業員とお客様の合計)が30人以上になる場合に必要となるのが一般的です。カウンター中心の小規模店では不要なこともありますが、判断は所轄消防署にご確認ください。
建物の延べ面積などにより必要な種別が決まります。将来大型店を任される可能性があるなら、対応範囲の広い甲種が無難です。自店に必要な種別は所轄消防署で確認できます。
はい。防火管理者を選任したら、所轄の消防署へ選任(解任)届出書を提出します。あわせて消防計画の届出なども必要になります。