採用単価とは、1人を採用するためにかかった費用のことです。結論は、掲載料などの直接費だけでなく、面接対応の人件費や早期離職による「採用のやり直し」まで含めて考えると、実態に近い数字が見えてくるということです。飲食店は離職も起こりやすい業種のため、単価だけでなく定着まで含めて比較する視点が欠かせません。
採用単価は「採用活動にかかった総費用÷採用人数」で計算します。含めるべき費用は、求人媒体の掲載料や紹介手数料といった直接費だけではありません。面接対応にあたるスタッフの人件費、研修や教育にかかる時間も、広い意味での採用コストです。この視点を持つと、掲載料が安い媒体が必ずしも「安い採用」とは限らないことが見えてきます。
| 媒体タイプ | 費用の発生タイミング | 特徴 |
|---|---|---|
| 求人サイト掲載型 | 掲載時に定額 | 応募数に関わらず費用は一定。母集団形成に向く |
| 人材紹介(成功報酬型) | 採用決定時 | 初期費用がかからない分、決定時の費用は高くなりやすい |
| ダイレクトリクルーティング | 利用料+稼働時間 | 母集団を絞れるが、スカウト送付の工数がかかる |
| 自社採用(SNS・紹介) | ほぼ発生しない | 費用は低いが、運用する人の工数が必要 |
採用のご相談でよく見られる失敗があります。ひとつは、早期離職によって採用をもう一度やり直す「二重コスト」です。3か月で辞めてしまえば、その分の採用費用と教育時間はそのまま上乗せになります。もうひとつは、求人票を使い回してしまい、応募単価が徐々に上がっていくケースです。さらに、面接から採用決定までのスピードが遅く、良い候補者が他社に決まってしまうことも、単価を押し上げる要因になります。
まず、直近の採用について、媒体ごとに「費用÷採用人数」を出してみます。次に、その数字を定着率とセットで見ます。掲載料が安くても早期離職が多ければ、実質的な単価はむしろ高くなっているかもしれません。そのうえで、紹介やSNS、リファラル採用など費用の低い経路を増やせないか検討します。あわせて、面接から内定連絡までのリードタイムを縮めることも、候補者の離脱を防ぎ、結果として単価を下げることにつながります。
採用単価は「入り口の費用」だけを見ると判断を誤ります。せっかく低コストで採用できても、1か月で辞めてしまえば、その分の教育コストは回収できません。逆に、掲載料が高めの媒体でも、定着率が高ければ長期的には割安になることがあります。採用単価と定着率は、必ずセットで確認する指標だと考えてください。
採用単価は、地域・職種・繁閑期によって幅が大きく、公表されている一つの数字を当てはめることはできません。掲載型の求人サイトは比較的低コストで始めやすい一方、人材紹介は理論年収に応じた費用感になりやすい傾向があります。大切なのは、自社の実績を毎回記録し、前回・前々回の採用と比較していくことです。
直近3件の採用について、「かかった費用÷採用人数」を計算し、媒体ごとに並べてみましょう。数字にしてみると、感覚とのズレに気づくことがよくあります。
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掲載料や紹介手数料といった直接費に加え、面接対応や教育にかかる人件費まで含めると、実態に近い採用単価が見えてきます。
一概には言えません。掲載料が安くても早期離職が多ければ実質コストは高くなります。定着率とあわせて評価することが大切です。
採用のたびに記録しておき、四半期や半期ごとに媒体別で比較すると、費用対効果の変化に気づきやすくなります。