飲食店の店長は、一店舗の売上と利益、人、品質のすべてに責任を持つ現場の司令塔です。接客やキッチンに入りながら、数字を読み、スタッフを育て、店を回します。店長候補はその一歩手前で、運営を学びながら独り立ちを目指すポジションです。ここでは店長の仕事の中身から年収の目安、なり方までを具体的に紹介します。
店長の仕事は「店の経営者代行」と考えるとわかりやすいです。中心にあるのは次の四つです。
多くの店長は、これらの管理業務をこなしながら、ピーク時にはホールやキッチンの一員としても動きます。プレイングマネージャーである点が特徴です。
ディナー中心の居酒屋の一例です。
向いているのは、数字と人の両方に関心を持てる人です。売上や原価をゲームのように改善するのが楽しめ、なおかつスタッフの成長を喜べるバランス感覚が求められます。想定外のトラブルにも冷静に優先順位をつけられる人は強いです。
逆に、数字の管理を避けたい人や、人に指示・指導することに強い抵抗がある人には負担が大きくなります。決められた作業だけに集中したい人にも、責任範囲の広さが重く感じられるでしょう。
やりがいは、自分の判断で店の数字が動くことです。施策が当たって前年より売上が伸びたときや、育てたスタッフが一人前になったときの達成感は格別です。一国一城の主として裁量を持てる点も魅力です。
大変なのは、責任の重さと業務範囲の広さです。人手不足の穴を自分で埋め、クレームの矢面にも立ちます。売上が目標に届かない月はプレッシャーがかかり、労働時間も長くなりがちです。数字・人・現場を同時に見る負荷は小さくありません。
店長の待遇は業態や企業規模で幅があります。あくまで目安として、店長候補で年収300万〜380万円前後、店長で380万〜550万円前後が一つの目安です。複数店を任される主任店長や、大型店・高単価店では600万円を超える例もあります。売上や利益に連動したインセンティブを設ける企業も多くあります。厚生労働省の職業情報提供サイトjobtagなどでも飲食店の管理職の水準を確認できます。具体的な条件は募集ごとに幅があるため、求人票での確認をおすすめします。
一般的には、ホールやキッチンのスタッフから店長候補、店長へと進みます。その先は、複数店を統括するエリアマネージャーやスーパーバイザー(SV)、本部のスーパーバイザー・店舗開発・商品開発などのポジションが開けます。現場で培った数値管理と人材育成の力は、独立開業やフランチャイズオーナーへの道にも直結します。
特別な資格は必須ではありません。多くの人はアルバイトや社員として現場に入り、接客・調理・レジ・発注を一通り覚え、リーダーや副店長を経て店長になります。数字に強くなるため、FLコストや損益計算書(P/L)の基本を学んでおくと昇進が早まります。食品を扱う店舗運営では「食品衛生責任者」の資格者を置く必要があり、店長がこれを取得するのが一般的です。講習で取得できるため、店長を目指すなら早めに押さえておくとよいでしょう。
店長は、数字と人と現場を束ねて一店舗の成果に責任を持つ仕事です。負荷は大きいものの、自分の判断で店を伸ばせる裁量と成長実感は他にない魅力です。飲食で経営に近づきたいなら、現場でのリーダー経験から目指してみてください。
なれます。アルバイトや社員として接客・調理・発注を覚え、リーダーや副店長を経て店長になるのが一般的です。FLコストやP/Lの基本を学ぶと昇進が早まります。
店長就任に必須の国家資格はありませんが、食品を扱う店舗には食品衛生責任者を置く必要があり、店長が講習で取得するのが一般的です。取得は1日程度の講習で可能です。
売上責任や人手不足の対応、労働時間の長さなど負担はあります。一方で自分の判断で店の数字を動かせる裁量と、スタッフの成長を見られるやりがいが大きい仕事です。