食品衛生管理者は、乳製品や食肉製品など特定の食品を製造・加工する施設に必ず置かなければならない必置の国家資格です。名前が似ている食品衛生責任者とはまったくの別物で、対象施設も要件も大きく異なります。この記事では、食品衛生管理者とは何か、そして最も混同されやすい食品衛生責任者との違いを中心に解説します。
要点は3つです。第一に、食品衛生法にもとづき、衛生上とくに配慮が必要な特定の食品の製造・加工施設に配置が義務づけられている資格である点。第二に、対象は限定的で、乳製品、食肉製品、添加物、一部の油脂など、法令で定められた品目を製造・加工する施設に限られる点。第三に、資格を得る要件が厳格で、講習だけで取れる食品衛生責任者とは難易度が大きく異なる点です。一般的な飲食店の開業では、通常この資格は必要ありません。
食品衛生管理者が必要になるのは、法令で指定された特定の食品を製造・加工する工場や施設です。たとえば、乳製品やハム・ソーセージなどの食肉製品、食品添加物を製造する施設が該当します。こうした施設では、製造の各工程で高度な衛生管理が求められるため、専門知識を持つ管理者の設置が義務づけられています。逆にいえば、レストラン、カフェ、居酒屋、テイクアウト店といった一般的な飲食店の営業では、この資格が求められる場面はほとんどありません。自店の業態が対象に当たるかどうかの見極めが重要です。
食品衛生管理者になれるのは、法令で定められた次のような要件を満たす人です。
医師、歯科医師、薬剤師、獣医師などの資格を持つ人。または、大学などで医学・薬学・獣医学・畜産学・水産学・農芸化学などの所定の課程を修めて卒業した人が該当します。
指定された施設で一定期間の製造・加工の衛生管理の実務経験を積み、所定の登録講習会の課程を修了した人も要件を満たせます。このように、講習だけで取得できる食品衛生責任者とは異なり、専門的な学歴や資格、または実務と講習の組み合わせが求められます。要件は品目や施設により細かく定められているため、最新の詳細は管轄の保健所や公式案内でご確認ください。
最も混同されやすいのがこの2つです。表で整理します。
| 項目 | 食品衛生責任者 | 食品衛生管理者 |
|---|---|---|
| 対象 | 一般の飲食店・食品施設に広く必要 | 乳製品・食肉製品・添加物など特定の製造施設に限定 |
| 取得方法 | 1日程度の養成講習で取得できる | 所定の学歴・資格、または実務+登録講習が必要 |
| 難易度 | 低い(誰でも取りやすい) | 高い(要件が厳格) |
| 飲食店開業 | 原則として必要 | 通常は不要 |
つまり、これから飲食店を開くほとんどの方に必要なのは食品衛生責任者であり、食品衛生管理者は特定の食品工場に関わる専門職と理解してください。
食品衛生管理者は、対象となる食品製造業では欠かせない専門人材です。設置が義務づけられているため、該当施設では確実に需要があり、専門性の高さから待遇面で評価されやすい傾向があります。食品メーカーの品質管理・製造管理部門でのキャリアにつながり、工場の管理職や品質保証責任者への道も開けます。給与や手当は企業・職種・地域で異なるため、具体的な金額は求人ごとの条件でご確認ください。
食品衛生管理者は、乳製品や食肉製品など特定の食品を製造・加工する施設に必置の国家資格で、取得要件も厳格です。名前の似た食品衛生責任者とは対象も難易度も別物で、一般的な飲食店の開業に必要なのは食品衛生責任者のほうです。自店や自社の業態がどちらに該当するかは、管轄の保健所や公式案内でご確認ください。
いいえ、まったくの別物です。食品衛生責任者は一般の飲食店に広く必要で講習で取れますが、食品衛生管理者は乳製品や食肉製品など特定の製造施設に必要で、要件が厳格です。
通常は必要ありません。レストランやカフェなど一般的な飲食店の開業に必要なのは食品衛生責任者です。食品衛生管理者は特定の食品製造施設に限って求められます。
医師・薬剤師などの資格や、所定の学科を修めた大学卒業が要件になるほか、指定施設での実務経験と登録講習の修了による方法もあります。詳細は管轄の保健所でご確認ください。